約 1,019,271 件
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/1277.html
SH/003 R 前向きなアミル/パン工房の魔法使い 女性 パートナー 月虹の巫女 カグヤ/全ての鍵を握る神秘の少女 女性 レベル 2 攻撃力 3000 防御力 5500 【それじゃ……わたしたちの、新しい未来を信じて……!】《魔法》《パン》 【自】〔リング〕このカードのパートナーアタックの終わりに、あなたの手札が相手以下なら、あなたは1枚引く。(技によるパートナーアタックも含む) 作品 『シャイニング・ハーツ』 3月8日 今日のカードで公開。
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/287.html
114 名前:スペクレ :04/05/17 18 02 ID ??? FEAR系が流行る前から居ましたなぁ、この手の困ったちゃん。 過去設定とかで自分のPCの活躍の幅を狭めるのもナンですが、以前PLのリアル能力を根拠にPCの活躍の幅を狭められた事があります。 「俺は魔法使いじゃないんだから、そのマジックアイテムを魔法で探すなんて思い付かないよ!」 とか自称ベテランゲーマーに逆切れされたハタチの夏。 115 名前:NPCさん :04/05/17 18 22 ID ??? 114 あー、でも逆にPLが素で知らない、そのゲーム的お約束を、 「思いついて当然」みたいに言われた苦い思い出がw オリジナルシステム俺ワールドの常識なんか知らないっつーねん。 何が「治癒魔法がアンデッドにダメージ与えるのは常識」や。 ルールの何処にそんな記述があった( ゜Д゜)ゴラァ。 ・・・ぜぇぜぇ。 スレ17
https://w.atwiki.jp/thmugen/pages/1007.html
とりあえず万能魔法使い「アリス・マーガトロイド」 とりあえず万能魔法使い「アリス・マーガトロイド」 キャラクター シンボル:青 必要コスト<青:2 無:1> 攻撃力:2 耐久力:4 属性:魔法使い 《自動》:自分の場の「属性:人形」は、名称「霧雨 魔理沙」を得る。 【無:0 自分の霊力1枚を廃棄する】自分の手札にある「属性:人形」1枚のコストを[青:1 無:0]としてプレイする事ができる。この効果でカードをプレイする場合、追加コストは支払わなくても良い。 「私は今のままで構わないわ。この子たちがいるんですもの。」 illus:皆村春樹 最終更新:StigmA環境 コメント 関連 StigmA 属性:人形
https://w.atwiki.jp/uncyclopediamabiwiki/pages/405.html
#shadowheader 魔法使いを志す学生の悲しみと喜びについて書かれている本。 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/matome_ssm/pages/8.html
88:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 19 09 25.34 ID hpeqfj4Jo魔法使い「―――ふわぁぁ……遅いわね……」 僧侶「王様への謁見ですから時間はかかると思いますよ?」 魔法使い「そうはいっても。もうかれこれ三時間……」 トントン 僧侶「あ、勇者様!?」 魔法使い「ノックすること覚えたの?」 ガチャ 僧侶「え……」 兵士「勇者様のお連れのかたですね?」 僧侶「は、はい……」 魔法使い「なに?」 兵士「とても勇敢なお人です。我々は出来うる限りの恩を―――」 僧侶「あの……勇者様は?」 兵士「それが……王への謁見中に倒れてしまって……教会のほうに運ばれました」 魔法使い「え?!ど、どうして!?」 89:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 19 14 22.46 ID hpeqfj4Jo―――教会 僧侶「失礼します!!!」 神父「静かにお願いします」 僧侶「あ、す、すいません……」 魔法使い「あの……」 神父「今、眠ったところです」 勇者「……」 僧侶「えっと……容態は?」 神父「熱が出ただけです。しばらく安静にしていれば大丈夫でしょう」 僧侶「よかったぁ……」 魔法使い「風邪ですか?」 神父「心身の疲労からでしょうね……」 僧侶「疲労って……」 魔法使い(そういえば……こいつ、昨日から殆ど寝ずに動いてたんじゃ……) 勇者「……」 90:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 19 19 53.61 ID hpeqfj4Jo僧侶「勇者様……」 神父「では、私はこれで。何かあれば言って下さい」 僧侶「ありがとうございます。何から何まで」 神父「いえいえ。王から話を聞きました。貴方たちはこの国の英雄だと」 魔法使い「英雄って……」 神父「あの軍勢の首領を倒したのでしょう?紛れも無く英雄です」 僧侶「そ、そんなこと……」 神父「それでは」 魔法使い「英雄……」 僧侶「全部、勇者様ががんばったから……ですよね」 魔法使い「いつの間にか道具を買い揃えてたり、情報収集もしてたり……」 僧侶「わ、私たち何もしてませんね……」 魔法使い「そうね」 僧侶「わ、わたし!何か食べ物を用意します!!勇者様が起きた時のために!!買出しに行ってきます!!」 魔法使い「あ、うん。よろしくぅ」 91:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 19 22 46.22 ID hpeqfj4Jo魔法使い「……」 勇者「……」 魔法使い「……」ピトッ 魔法使い「酷い熱……」 魔法使い「ふっ……」パァァ 勇者「ん……?」 魔法使い「あ、気がついた?」 勇者「きもちいい……貴女の手……冷たい……」 魔法使い「氷の魔法よ」 勇者「……体温が低い人は……心が温かいらしいですね……」 魔法使い「いや、だからこれは魔法だから」 勇者「……」 魔法使い「寝たの?」 勇者「……」 魔法使い「……お疲れ様。今はゆっくり休んでて……」 92:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 19 31 50.29 ID hpeqfj4Jo―――魔王城 魔物「―――報告は以上です」 魔王「……なるほど。下がってよい」 ドラゴン「まさか、トロルがやられるとは……」 魔王「どうやらあの国には中々骨のあるやつがいるようだな」 ドラゴン「どうされますか?私が攻め落としに……」 魔王「いや。想像以上の敵かもしれん……慎重になったほうがいいだろう」 ドラゴン「そうですか」 魔王「そやつの情報を集めることが肝心だ。我の脅威となるやもしれん」 ドラゴン「人間がですか?まさか……」 魔王「油断はできん」 ドラゴン「慎重になりすぎるのは如何なものかと」 魔王「世界を手に入れるためだ。小さな石でも排斥しておくことに越した事はない」 魔王「トロルを打ち倒した者を探せ」 ドラゴン「御意」 96:NIPPERがお送りします(岡山県):2012/06/05(火) 20 28 07.51 ID /6qya+hFoまだ序盤なのに二人の好感度がすごいことになってる 97:NIPPERがお送りします(千葉県):2012/06/05(火) 20 40 17.09 ID RBUlvnLe0変態紳士というか変態イケメンというか 101:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 21 28 35.64 ID hpeqfj4Jo―――教会 魔法使い「はぁ……ぁ……」 勇者「……」 魔法使い「もう……ちょっと……だけ……」パァァ 勇者「……」 魔法使い「ふっ……」 勇者「……」スリスリ 魔法使い「ひゃぁ!?」 勇者「……」 魔法使い「……」 勇者「……」スリスリ 魔法使い「どこ触ってるのよ……」 勇者「内腿は冷たくないんですね」 魔法使い「凍れ!!!」ゴォォ 勇者「ぎゃぁ!?」 102:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 21 35 26.28 ID hpeqfj4Jo勇者「ぶぁっくしょん!!!」 僧侶「勇者様、だ、大丈夫ですか?」オロオロ 勇者「さむい……」ブルブル 僧侶「リゾットを作りました。どーぞ」 勇者「あああ……指先が……震えて……もてません……」カタカタカタ 勇者「も、申し訳ありません……た、たべさせてください……」ブルブル 僧侶「わ、わかりました!!―――どうぞ、あーん……」 勇者「うぅ……ふーふー……してください……」 僧侶「は、はい!―――ふー、ふー。はい、あーん」 勇者「テルアイシって繰り返し言いながら食べさせてください」 僧侶「てるあいし?」 勇者「お願いします。それでこの病も和らぐのです」 僧侶「えっと……テルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテル……」 勇者「ぬほほぉ」 魔法使い「馬鹿だ……」 103:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 21 41 56.70 ID hpeqfj4Jo僧侶「そもそも貴女が悪いんじゃないですか!」 勇者「もっと言っておあげ」 魔法使い「セクハラしたのはどっちよ!!折角、感謝の気持ちを込めて魔力を振り絞ったっていうのにぃ!!」 僧侶「やめてください、勇者様は病人なのですよ?!」 勇者「うんうん」 魔法使い「ぐっ……!!」 僧侶「こういうことは今後、無いようにお願いしますね」 魔法使い「私が悪いの……」 勇者「そうだ。町の様子はどうでした?」 僧侶「軍が動き出して残党狩りへ向かったようです」 勇者「そうですか……。これで一安心ですね」 僧侶「全て勇者様のおかげです!」 勇者「いえいえ。僕の力なんて微々たるものですよ」 僧侶「またまた、ご謙遜を」 魔法使い「なにか狙いでもあるんじゃないかしら?」 104:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 21 51 34.49 ID hpeqfj4Jo僧侶「狙いなんて……ないですよね?」 勇者「ここの姫様……まだ13歳なのですけど、中々別嬪なんですよね」 僧侶「え?」 勇者「ふふ……一国の姫君を側室にできるとか……役得ですよ。ホント」 僧侶「……」 魔法使い「ほらね」 僧侶「あ、あの!!勇者様!!」 勇者「はい」 僧侶「それは自分からくださいって言ったのですか!?」 勇者「いえいえ。王様のほうから「娘を是非」って」 魔法使い「ここの王様は見る目がないのね」 僧侶「それならセーフですね」 勇者「はい、もう純白です」 魔法使い「どの口がいうのよ……」 勇者「流石の僕でも手を出してはいけないラインは把握しているつもりになってます」 109:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 20 47 26.38 ID hpeqfj4Jo僧侶「はい、勇者様。あーん」 勇者「あーん……」 魔法使い「それより、これからどうするの?」 勇者「そうですね。僕の体調が万全になるまで少し待っていただけますか?」 僧侶「そ、それはもちろんです!!」 勇者「面目ありません」 僧侶「いえ、そんな……」 魔法使い「まあ、アンタがいないと……こっちも動けないわよね……」 勇者「明後日にはきちんと旅立てるようにしますので」 僧侶「あまりご無理は……」 勇者「いえいえ。はやく魔王を倒して、悠々自適な隠居生活をしたいので」 僧侶「そうですか」 勇者「そうなんですよ」スリスリ 僧侶「あの……足をそんなに触らないでください……」 魔法使い「はぁ……かっこよく見えたのは錯覚だったわね……」 110:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 20 51 52.04 ID hpeqfj4Jo僧侶「では、勇者様。ゆっくり休んでくださいね」 勇者「え?」 魔法使い「私たちは宿に戻るわ」 勇者「添い寝は!?ねえ?!」 僧侶「えぇ……?」 魔法使い「す、するわけないでしょう!!何言ってるのよ!!馬鹿っ!!」 勇者「そんな……こんなにがんばった僕に……ご褒美もないなんて……うぅ……」 僧侶「あ、あの……わ、私でよけれ―――」 魔法使い「ダメよ。こいつ、ただ同情を引こうとしてるだけなんだから」 勇者「同情!?僕が!?何をいっているんですかねぇ!?」 魔法使い「帰るわよ」 僧侶「あ……あの……ゆ、勇者様、ごめんなさい……」 勇者「外道がぁ!!ガード固すぎなんだよぉ!!」 魔法使い「散々痴漢を働いておいてなにいってんのよ!!」 僧侶「あ、あの……その辺で……」 111:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 20 56 18.31 ID hpeqfj4Jo―――宿屋 魔法使い「全く……あいつは……。人の気も知らないで……」 僧侶「添い寝と言っても、きっと傍に居てほしかっただけじゃないですか?」 魔法使い「そんなわけないでしょ。襲う気満々だったじゃない」 僧侶「そうですか?きちんと嫌だといえば……」 魔法使い「そういう問題じゃないの」 僧侶「勇者様はああいう態度を取っていますが、すごくお優しい方だと思います」 魔法使い「ふん……」 僧侶「あの」 魔法使い「なに?」 僧侶「明日、私たちで色々情報を集めませんか?」 魔法使い「え?」 僧侶「今度は私たちが勇者様のお役に立たないといけないって思うんです」 魔法使い「……そうね。なら、朝から動くわよ」 僧侶「はいっ」 112:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 21 03 17.84 ID hpeqfj4Jo―――翌朝 広場 僧侶「さあ、情報収集をしましょう」 魔法使い「それはいいけど……なんの情報を集める?」 僧侶「え?―――色々です!」 魔法使い「だから、色々っていっても……」 僧侶「魔王討伐に役立つ情報とか」 魔法使い「アバウトね」 僧侶「とにかく魔王に関することでいいじゃないですか」 魔法使い「まあ、それしかないわね」 僧侶「でも、どこに行けば……」 魔法使い「お城に行ってみない?」 僧侶「お城ですか?」 魔法使い「王様に魔王の軍勢の残党がどうなったのかも訊きたいし、何か今後の指針になるかもしれないわ」 僧侶「なるほど」 魔法使い「行きましょ」 113:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 21 08 23.05 ID hpeqfj4Jo―――城内 謁見の間 王「これはこれは勇者一行の!!」 魔法使い「突然の謁見にも関わらず、ありがとうございます」 僧侶「……ます」 王「気にする必要などない。そなたらは我が国の英雄だ」 魔法使い「勿体無いお言葉です」 姫「あの……」 僧侶「は、はい」 姫「勇者様のお体は?」 魔法使い「ご心配には及びません。もう大丈夫です」 姫「よかった……」 王「はっはっはっは。もう勇者殿の花嫁気取りか」 姫「お、お父様!!」 魔法使い「あの……本当に姫様を……?」 王「ん?話を聞いたのか?……そう。何を隠そう、我が娘を勇者殿の嫁にしようと決めたのだ」 114:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 21 14 25.35 ID hpeqfj4Jo僧侶「……」 魔法使い「……」 姫「お父様!!まだ私はけ、結婚など……」 王「何をいうか。あと3年もすればお前も身を固めなければならん。勇者殿では不服か?」 姫「そんなことはありませんが。勇者さまの御意思も尊重せねば……」 王「勇者殿はノリノリだったぞ?」 姫「うぅ……」 魔法使い「あの……」 王「ああ、すまない。して、話とは?」 僧侶「あの……魔王の軍勢はどうなりましたか?」 王「おお。そのことか。うむ、残っていた魔物はそれほど脅威ではなかった。軍が到着したときには大半が逃げ出していたようだ」 魔法使い「そうですか」 王「まあ、あの首領をそなたらが討ってくれたこと。それが一番大きいがな」 僧侶「何か特別なことはありませんでしたか?魔物たちが何かを言い残したとか、どこへ向かうとか……」 王「いや。特段、報告するようなことはなにもない。それに勇者殿にも全てを話したしな」 115:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 21 18 15.36 ID hpeqfj4Jo魔法使い(不発か……) 姫「あの……」 魔法使い「はい?」 姫「勇者様にお伝え願いますか?」 魔法使い「何をでしょうか?」 姫「……またお会いしたい、と」 僧侶「……」 姫「ああ……恥ずかしい……」 王「はっはっはっは!!色気を出しおって!!」 魔法使い「あの、姫様。お言葉ですが、あの勇者は少し……いえ、かなり性格に問題があるのでやめたほうがいいですよ」 姫「え?」 僧侶「えぇ?!ど、どうしてそんなこと……!!」 魔法使い「とにかくスケベですし」 姫「殿方ならそれぐらい……」 魔法使い「度を越えているんです」 116:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 21 31 34.56 ID hpeqfj4Jo王「度を越えているスケベなのか?」 魔法使い「はい」 僧侶「な、なんてことを言うのですか!?」 魔法使い「でも、こういうことはちゃんと伝えておかないと」 王「むぅぅ……」 兵士「失礼いたします!」 王「どうした?」 兵士「勇者殿がお見えになりました」 姫「え?!」 魔法使い「アイツが……?」 僧侶「どうして……」 王「よし。通せ」 兵士「はっ!!」 王「合流する予定だったのか」 魔法使い「そういうわけでは……」 117:NIPPERがお送りします:2012/06/06(水) 21 41 11.47 ID hpeqfj4Jo勇者「失礼いたします」 姫「勇者さま!!」 勇者「ご機嫌麗しゅう、姫様。今日も変わらず美しいですね」 姫「そ、そんなぁ」 勇者「これを」スッ 姫「え……」 勇者「姫様に似合う花束をご用意しました」 姫「勇者さま……」 勇者「受けとっていただけますか?」 姫「もちろんです……」 勇者「ふふふ」 魔法使い「ちょっと」 勇者「え?おお。お二人とも。どうしたのですか?」 僧侶「勇者様こそ、お体は?」 勇者「いやぁ。もう大丈夫です。今日は姫様に昨日渡せなかった花束を渡しておきたくて」 119:NIPPERがお送りします(東京都):2012/06/07(木) 00 59 42.43 ID mLwxCzIM0この勇者って本当の意味で紳士と変態を両立させてるよなぁ 良いキャラだ 122:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 18 21 50.46 ID hpeqfj4Jo姫「すごく心配していました」 勇者「これは光栄の極みですね」 魔法使い「……」 僧侶「あ、あの、勇者様。どうしてここへ……?姫様にそれを渡したかっただけですか?」 勇者「はい」 魔法使い「言い切った……」 僧侶「……」 勇者「お二人こそどうしてここへ?」 魔法使い「行きましょう。もうここには用はないわ」 僧侶「え……でも……」 魔法使い「アンタも来る?」 勇者「折角のお誘いですが僕はもう少し姫様と談笑し、絆を深めたいと思います」 姫「そ、そんな……私なんかと……」 魔法使い「……勝手にしたらいいわ」 僧侶「あ、まってください!!―――勇者様、それでは後ほどっ」 123:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 18 27 41.41 ID hpeqfj4Jo姫「勇者さま、よかったのですか?」 勇者「彼女たちとはこれからも長い付き合いになりますからね。今は姫様との時間を大事にしたいのですよ。ふっふふー」 姫「もう……勇者さまったら」 王「いいな!!うむ!!流石は勇者殿」 勇者「姫様、では少しお話でもどうですか?」 姫「は、はい。私で宜しいのでしたら」 勇者「感謝いたします」 姫「それではお父様……」 王「ああ、ゆっくりしてくるといい」 姫「ありがとうございますっ」 勇者「王、今日は拝謁を許していただき、誠に感謝しています」 王「そなたの謁見ならばいつ如何なるときでも構わん」 勇者「ありがとうございます。これで姫様とはいつでも会えますね」 姫「い、いやですわ……そんな……」 勇者「では、まいりましょう」 124:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 18 36 49.35 ID hpeqfj4Jo―――城内 中庭 姫「勇者さま、明日には旅立たれるのですか?」 勇者「はっ。貴女の美しい肌とお尻には別れを告げねばなりません。残念です」 姫「そうですか……」 勇者「魔王の軍勢の残党は逃げたそうですし、勇者の身としては捨て置けませんからね」 姫「ええ。兵士長さんの話では、列を成して東の地へと移動していったらしいですよ」 勇者「東といえば……姫様、黄金の国はご存知ですか?」 姫「はい。家が黄金で出来ているとか、井戸から金が溢れてくるとか。すごい国なのでしょうね」 勇者「今度、ここへ戻ってくるときはその真意を確かめ、本当に黄金があるなら姫様に是非ともプレゼントいたしましょう」 姫「まぁ!本当ですか!!」 勇者「ふふふ、勇者は嘘が大嫌いです」 姫「ありがとうございます。ですが、魔王の軍勢を追うのですね。東の地は魔王の手に落ちて久しいと聞いています。どうかお気をつけて」 勇者「はい。帰りを待ってくれている貴女がいれば、死ぬに死ねませんし」 姫「勇者さまぁ……」 勇者「まだ時間がありますね。東の地について姫様が知っていること、話してもらえますか?」 125:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 18 44 35.72 ID hpeqfj4Jo―――酒場 店主「魔王のこと?」 僧侶「何か聞いたことありませんか?」 店主「そうだなぁ……」 魔法使い「なんでもいいのよ。こういう顔してるとか、すごい魔法を使うとか」 店主「そういえば、魔王の軍勢の首領はもう一匹いたって兵士の人に聞いたことがあるな」 僧侶「え?トロルだけじゃないというのですか?」 店主「ああ……なんでも空飛ぶトカゲとか……」 魔法使い「それって……」 僧侶「ド、ドラゴン……」 店主「伝説級の魔物だから、本当かどうかはしらねえ。その兵士も未確認情報だって言ってたしね」 魔法使い「もしドラゴンが相手なら……」 僧侶「お話通りの魔物だとしたら、人間じゃ太刀打ちできなくないですか?」 魔法使い「灼熱の炎を口から吐き、両翼を動かし竜巻を作る。最強の魔物ね」 僧侶「ま、まさか……そんなの……あり得ませんよね?」 126:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 18 51 17.82 ID hpeqfj4Jo店主「鋼の皮膚を持ってるって言い伝えもありますねえ」 僧侶「うわぁ……」 魔法使い「……まあ、敵にいるかどうかもわからないし、気にするだけ無駄ね」 僧侶「そ、それはそうですけどぉ」 魔法使い「それぐらいかしら?」 店主「そうですね」 僧侶「あ、ありがとうございました!」 店主「いえいえ。勇者様ご一行の役に立てたなら嬉しいよ」 魔法使い「まあ、あまり買い被らないほうがいいわよ?」 店主「え?」 魔法使い「この国の英雄はどうしようもない屑だから」 僧侶「そんな言い方は酷いですよ!!」 魔法使い「だって、一国の姫君を性の捌け口としてしか見てないじゃない!!」 僧侶「それはきっと誤解です!!」 魔法使い「10人の側近なんて話聞いたあとに誤解も何もないわよ!!」 127:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 00 46.22 ID hpeqfj4Jo僧侶「そ、それは……」 店主「10人の側近ってなんです?」 魔法使い「……こっちの話よ。それじゃあ、マスター、ありがとう」 僧侶「し、失礼します」 店主「え、ええ。またこの町に来ることがあれば是非とも寄っていってください」 魔法使い「必ず」 僧侶「それでは」 魔法使い「はぁ……あまり実のある情報とは言えなかったわね」 僧侶「童話の話をしただけのような気もしますね」 魔法使い「この町を出て、どこに向かえばいいのかもよくわからないし」 僧侶「ですね……」 魔法使い「アイツは姫様と仲良くやってるだろうし……。どういうことよ……全くもう……」 僧侶「き、きっと、王様に仲良くしてほしいって言われているのですよ」 魔法使い「どう見ても、アイツから手を出しているようにしか見えないけど……」 僧侶「勇者様にも考えがあるのです!きっと!恐らく!多分!」 130:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 07 55.37 ID hpeqfj4Jo―――宿屋 僧侶「夕食、どうされますか?」 魔法使い「そうね……」 勇者「ただいま戻りました」ガチャ 魔法使い「ふんっ!!」ブンッ 勇者「むっ?!―――パジャマパーティーの前哨戦として枕投げ大会ですか?」 魔法使い「違うわよ!!」 勇者「では……!?むむ……?おかしいですね、どこにもイエスの文字がないですが……?」 魔法使い「なんでアンタにイエスノー枕を投げつけないといけないのよ!?」 勇者「ハハッ。そうですよね。常時、イエスですよね。僕ってば頭悪いっ」 魔法使い「こいつぅ……!!!」 僧侶「あ、あの……きっとノックをせずに入室してくるからでは……?」 勇者「ノックをしては着替え中に乱入するという僕の長年の夢が遠のくではないですか」 魔法使い「アンタねえ!!魔王を倒すことより覗くのに気合入れないでよ!!」 勇者「覗きなんてするかぁ!!!失敬な!!僕はあくまでも偶然、着替え中に遭遇したいという願望が強いだけだぁ!!」 132:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 15 03.79 ID hpeqfj4Jo魔法使い「何が違うのよ!!」 勇者「覗きは故意!!遭遇は事故!!!全然違うだろうが!!」 魔法使い「狙ってやってるなら故意でしょ!?」 勇者「これは異な事を。現に僕は狙っても遭遇できてはいません。故意ならば必ず成功させるように仕向けるでしょう?」 魔法使い「あー!!もういいわよ!!」 勇者「え?生着替え見せてくれるんですか?眼福眼福」 魔法使い「ころしてやろうか……」 僧侶「あ、えと……勇者様、何か御用ですか?」 勇者「ああ。そうでした。明日の朝、出発しましょう」 魔法使い「どこに向かうの?」 勇者「東の地。具体的には黄金の国と呼ばれる場所へ」 僧侶「黄金の国ですか。でも、どうしてそこに?」 勇者「魔王の軍勢がその方角へ逃げたらしいので。何かあるのかもしれません」 勇者「あと、黄金を姫様にお渡ししたいので」 魔法使い「そっちが本当の目的なの?あきれたわね……」 133:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 21 26.78 ID hpeqfj4Jo僧侶「……」 勇者「何か?」 僧侶「いえ……」 魔法使い「一応、私たちも気になる情報を聞いたわ」 勇者「え?なんでしょうか?」 魔法使い「魔王の軍勢にはもう一匹首領がいたらしい。それも、ドラゴン」 勇者「ドラゴン……灼熱の息を吐き、鋼の皮膚を持ち、翼から風を起こすという、あの?」 僧侶「は、はい。未確認情報らしいですが」 勇者「なるほど……」 魔法使い「本当にいたら洒落にならないわね」 勇者「そうですか……ドラゴンが……」 僧侶「勇者様?どうかされましたか?」 勇者「いえ。では、これで失礼します」 僧侶「あ、夕食はどうされますか?」 勇者「僕は既に済ませてきましたので。おやすみなさい」 134:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 26 00.39 ID hpeqfj4Jo魔法使い「何よ、アイツ……」 僧侶「……」 魔法使い「ご飯、食べに行きましょう?」 僧侶「あの」 魔法使い「なに?」 僧侶「……勇者様はまた一人で色々調べているのではないでしょうか?」 魔法使い「姫様から聞いたんじゃないのかしら」 僧侶「王様、言ってましたよね?勇者様には全てを報告したって」 魔法使い「そうね」 僧侶「それっていつですか?」 魔法使い「え?」 僧侶「勇者様はずっと寝込んでいたのに……いつ、王様から話を聞いたんですか……?」 魔法使い「それは……」 僧侶「私、勇者様のところに行ってきます」 魔法使い「あ、ちょっと待って!私も行くわよ!!」 135:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 32 23.80 ID hpeqfj4Jo僧侶「勇者様?」トントン 勇者「はい?」 魔法使い「……なにしてたの?」 勇者「本を読んでいました」 僧侶「そ、そうですか。それってあの……」 勇者「エッチなやつです」 魔法使い「さいてー」 勇者「しかし、僕の身にもなってください。お二人のように美人が目の前にいるのに、何もできない虚しさを」 魔法使い「知らないわよ」 僧侶「あの、何か調べ物をされているなら……ご協力を……」 勇者「いえ。本当にムラムラしてただけですから」 魔法使い「……」 僧侶「えっと……あの……」 勇者「おっと、股間がいきり立っているようだ。どうする?戦う?」 魔法使い「へ、へんなものみせないでっ!!!」 136:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 38 32.05 ID hpeqfj4Jo魔法使い「ただの変態よ!!」 僧侶「お、落ち着いてください」 魔法使い「あんたも怒るときは怒った方がいいわよ?」 僧侶「ぜ、善処します」 魔法使い「ホントに……別になにもしてなかったじゃない」 僧侶「そ、そうみたいですね」 魔法使い「なんか馬鹿らしいわね。ひょっとしたら裏で努力してるかと思ってもいたのに」 僧侶「うーん……」 魔法使い「あんなセクハラされてもまだ信じたいの?」 僧侶「間が悪かっただけかもしれないと思って」 魔法使い「ポジティブね」 僧侶「わ、私は勇者様を信頼していますから」 魔法使い「はいはい。ごちそうさま」 僧侶「わ、私は純粋に勇者様のことを信じているだけですっ」 魔法使い「分かったわよ。それよりも……お腹すいたし、何か食べに行きましょうよ」 137:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 19 49 20.66 ID hpeqfj4Jo―――翌日 広場 僧侶「いい天気ですねー」 勇者「そうですね」 魔法使い「なんでアンタの視線は胸に向けられてるわけ?」 勇者「あ、そうだ。これをお渡ししておきます」 僧侶「え?私に……ですか?」 勇者「はい。貴女に是非」 僧侶「……これって……所謂、非常食……?」 勇者「貴女にとってはこの上ない武器のはずです」 僧侶「確かにそうですね」 魔法使い「普通は武具を渡すんじゃないの?」 勇者「ふふ、そういわれるだろうと思い……盾も買っておきました」 僧侶「結構大型ですね……。もてるでしょうか……?」 勇者「普段は背負っていれば大丈夫ですよ」 魔法使い(いつ買ったのかしら……) 139:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 20 09 34.36 ID hpeqfj4Jo―――フィールド 勇者「東の地、黄金の国まではかなりの道程ですね」 僧侶「徒歩だとどの程度かかりそうですか?」 勇者「7日もかからない、といったところですか」 魔法使い「相当遠いのね」 勇者「食料も十分に買いましたし、それに道中に村や町もあるので。問題はないかと」 僧侶「よかった」 勇者「しかし、どうしても野宿をしなければならないときもあるでしょう」 魔法使い「そうね」 勇者「魔物に気をつけながら一晩中、見張りをしなければならない」 僧侶「はい」 勇者「夜は寒い。寒さを凌ぐために寄り添う二人。触れ合う肩……交錯する視線……」 魔法使い「え……?」 勇者「そして二人は互いの息遣いを感じる距離まで近づき……惹かれるように唇を重ねる……ふふふ。ロマンスですね」 魔法使い「なるわけないでしょ!!馬鹿っ!!」 140:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 20 15 27.94 ID hpeqfj4Jo―――夜 勇者「では、お二人は眠ってください」 僧侶「でも……見張りは……」 勇者「僕に任せてくれてかまいません」 魔法使い「変なことする気?」 勇者「しません。まだ、信用されていないのですか。ショックです」 魔法使い「どこで信頼を得たと思ってるのよ」 勇者「冗談はさておき、途中魔物とも戦いましたし、お二人とも魔力が残っていないでしょう?」 僧侶「そ、れは……」 魔法使い「まぁね。アンタが色々、指示出すから」 勇者「なので、十分に休息を取ってください。明日の夕刻には小さな農村に着けますが、それまでに魔力不足で立ち往生はしたくないで」 魔法使い「じゃあ……」 僧侶「あ、ありがとうございます」 勇者「いえ。気にしないでください。お二人は僕より何倍も働いていますから」 魔法使い「そう……。じゃあ、お言葉に甘えるわ……おやすみ……」 141:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 20 23 50.14 ID hpeqfj4Jo勇者「……」 パチパチ…… 勇者「そろそろ火を消すか……。魔物に場所を知らせるようなものだし」 魔法使い「……ねえ」 勇者「ん?どうかしましたか?あ、もしかして排泄行為を?」 魔法使い「違うわ。ちょっと眠れないの」 勇者「そうですか」 魔法使い「さっきの言葉……どういう意味?」 勇者「どういう意味もなにも……貴女が粗相をするのかなと思っただけですが」 魔法使い「馬鹿っ!違うわよ!!―――どうして私たちのほうが何倍も働いてると思うの?」 勇者「なんだ、そのことですか」 魔法使い「私たちなんて……」 勇者「勇者って戦闘技術は勿論、魔法の知識も有しているものなんですよね」 魔法使い「全てに秀でているからこその勇者でしょ?」 勇者「その通りです。―――もう気づいているでしょうけど、僕には魔法が使えないんです」 142:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 20 33 22.21 ID hpeqfj4Jo魔法使い「……」 勇者「簡単な切り傷も治癒できない。魚を焼くための火すら起こせない。天候を操り雷を呼ぶなんてもってのほか」 勇者「僕は出来損ないなんですよ」 魔法使い「待って。じゃあ、どうして勇者に選ばれたの……?」 勇者「わが国の勇者は半年前に命を落としました。それでも誰かを勇者として祭り上げ、魔王討伐に向かせなければならない」 勇者「国一番の実力者を生贄にしないと国民が納得しませんからね」 魔法使い「じゃあ、アンタが選ばれたのは……」 勇者「剣術が秀でていたからです」 魔法使い「そう……」 勇者「でも、ある種幸運ではあります」 魔法使い「どうして?死んで来いって言われたようなものでしょ?」 勇者「勇者に選ばれたから、貴女たちと出会えた。こんなに嬉しいことがあるでしょうか?」 魔法使い「なっ……。バ、バカじゃないの……」 勇者「前にも言いましたが、僕は馬鹿です。あ、ちなみに世界平和のためだなんて微塵も思ってません。全ては僕の野望のためです」 魔法使い「報奨金貰って、悠々自適に嫁と10人の側近と暮らすんでしょ?ホント、勇者としては出来損ないもいいとこだわ」 143:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 20 44 50.67 ID hpeqfj4Jo勇者「僕の悪口ばかりですね。許しませんよ?」 魔法使い「許さないならどうするの?」 勇者「僕の隣に座って、僕の肩に頭を預けて眠っていただきましょう。寝顔をさらせぇ」 魔法使い「お断りよ。ド変態」 勇者「僕のことが好きならはっきりそういえばいいのに」 魔法使い「話が飛躍しすぎでしょ?!」 勇者「でも、こういうシチュエーションの場合、恋焦がれる乙女が告白すると相場が決まっていますよ?」 魔法使い「どこの基準よ!勝手に押し付けないで」 勇者「そうですか。まだ側室の椅子は空っぽですから、いつでも声をかけてください。貴女なら第一側室としていつでも迎えましょう」 魔法使い「もういい」 勇者「はっ。まさか、嫁じゃなきゃいやとか、私だけを見てーってタイプですか?」 勇者「でも、まあ、人の感情とは不思議なもので、そういう生活を一ヶ月ほど続ければ自然と慣れていくものですよ」 魔法使い「もう寝るわ。アンタと話してたらおかしくなりそう」 勇者「え?じゃあ、婚前初夜ってやつですか?まいったなぁ」 魔法使い「なんで一緒に寝るって解釈するのよ!?」 144:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 20 50 01.81 ID hpeqfj4Jo勇者「ガード固いなぁ……魔法使いは普通、守備力が無いはずなんだが……」 魔法使い「それじゃあ、おやすみ!!」 勇者「はい。おやすみなさい」 魔法使い「風邪、ひかないでよ?」 勇者「馬鹿は風邪引かないって言葉、知ってますか?」 魔法使い「違うわ。馬鹿は体調管理が出来ないから、風邪を引くのよ」 勇者「おぉ。新説ですね」 魔法使い「ふん……がんばってね」 勇者「はい」 魔法使い「バーカ……」 勇者「……」 パチパチ…… 勇者「はぁ……」 勇者「ドラゴン……魔王の側近にいるなら……いずれは……」 勇者「童話の獣と戦うなんて……想像できないな……」 146:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 21 12 30.54 ID hpeqfj4Jo―――魔王城 魔王「首尾は?」 魔物「はい。順調でございます」 魔王「そうか。トロルの失態で幾分かの後れは生じたが、今のところ問題はないか……」 魔王「あるとすれば―――」 ドラゴン「魔王様」 魔王「ご苦労。トロルを打ち倒した者について何かわかったか?」 ドラゴン「はい。どうやら、とある小国で選出された『勇者』のようです」 魔王「ほう?今まで、勇者と呼ばれる人間など何の脅威でもなかったが、ここに来てついに骨のある人選をしたわけか」 ドラゴン「しかい、交戦した者たちに聞きますとすこし可笑しなことが」 魔王「なんだ?」 ドラゴン「それが魔法を使う素振りを一切見せなかったようなのです」 魔王「魔術なくしてトロルが率いていた軍勢を突破することなどできないはず。それほどまでに武芸に秀でているか……あるいは……」 ドラゴン「もう少し調査の必要があるでしょう。幸いにも先日、その勇者一行は黄金の国に入ったとのことですので」 魔王「それは好都合だな。既にあの地は我らの領土。そこでそやつらのことを丸裸にしてくれよう……」 www57.atwiki.jp/matome_ssm/pages/9.html
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/2326.html
俺「本当に追い出されたよ…」 俺「これからどうすれば…」 師匠『おい、今から迎えにいく。そこでじっとしてろ』 俺『師匠!』 ポンッ 師匠「さあ帰るぞ馬鹿たれ」 俺「師匠ぉ~」 ポンッ ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ―数日後― ミーナ(なんなのこのきもち) ミーナ(俺に会いたいわ…) ミーナ(俺///) ミーナ「あー何も手につかないわ!」 坂本「どうしたミーナ?」 ミーナ「どうしよう美緒…」 ミーナ「私…恋しちゃった///」 坂本「……」 坂本「な、なに!」 坂本「だ、誰にだ?///」 ミーナ「それはぁ///」 坂本「ごくっ…」 ミーナ「俺…なの///」 ミーナ「なんかね、俺の事考えるとね」 ミーナ「胸のこの辺りがキュンキュンするの///」 ミーナ「ああ、俺///」 坂本「そ、そうか…」 坂本(私の知ってるミーナじゃない…) ミーナ「なんで追い出したりしたのかしら…」 ミーナ「嫌われちゃったよね…私」 坂本「ミーナ…」 995 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/26(火) 16 20 23.19 ID fD6zsWdS0 まったく年甲斐もなく 996 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 16 22 56.38 ID xPqKwg9aP 屋上 997 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 16 24 44.55 ID BulBQC5gO ミーナ「ごめんなさい…俺」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 友「お前凄いのか凄くないのかわからんやつだよな…」 俺「俺は凄いよ?」 友「いやいや…」 俺「じゃああの山吹き飛ばしてみせよう!」 友「やめろ!この間の失敗をもう忘れたのか!」 俺「大丈夫大丈夫」 友「頼むからやめろ!せめて他の魔法にしてくれ」 俺「じゃあ時空魔法やるよ」 俺「ほいっ」 ポンッ 友『おいもう帰ってこい』 俺『なあ友…』 友『なんだ?』 俺『杖っていくらくらいするかな…?』 友『結構かかるの知ってるだろ?』 俺『手作りはどうかな?』 友『誰かにプレゼントか?』 友『諦めろ、魔力をもった木を数年かけて削るんだぞ』 友『なんでこんな話』 友『おい…まさか…』 俺『うん…杖が折れた…』 友『……』 俺『どうしよう帰れない…』 友『しばらく反省してろ』 友『俺は知らん』 俺『ええー』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 俺「詰んだ…」 俺「杖ないと魔法使えないしな…」 俺「とりあえず歩いてどこかに行くしか…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 友「師匠…あの馬鹿が…」 師匠「またか…」 師匠「しばらく放っておけ」 友「ええ…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 俺「ハァハァ…」 俺「死ぬわこれ…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ミーナ「!?」 ミーナ「俺が近くにいるわ!」 坂本「な、なぜそう思うんだ?」 ミーナ「愛よ!」 ミーナ「ちょっと行ってくるわね!」 坂本「お、おい…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ブーン ミーナ「俺!」 俺「あ!」 ミーナ「私の所に帰ってきてくれたのね!///」 ミーナ「私嬉しい///」 ミーナ「さ、基地に帰るわよ///」 俺「離せー」 ミーナ「駄目よ、大事な俺が落ちちゃうじゃない///」 俺「」 ミーナ「基地でまた一緒に暮らすわよ///」 俺「あ、それはありがたい」 ミーナ「それから私の事はミーニャンって呼んでね///」 ミーナ「でないと追い出すわよ?」 俺「は、はい」 ―基地・食堂― ミーナ「というわけでまた一緒に暮らす事になった俺よ」 俺「は、はは…」 ゲルト「私は反対だ!」 ペリーヌ「そうですわ!この人邪魔者以外の何者でもありませんわ!」 ミーナ「邪魔じゃないわ!私には必要なの!」 ミーナ「私達愛し合ってるんだから///」 俺「えっ?」 全員「」 ミーナ「ふぅ~ふぅ~」 ミーナ「はい、あーん///」 俺「あーん…」 ミーナ「美味しい?///」 サーニャ「中佐こわい…」 ゲルト「このままでいいのか?」 坂本「働いてばかりのミーナには心の休まる時間が必要だ」 坂本「まあ、いいんじゃないか?」 ゲルト「確かに…」 エーリカ「あんなに幸せそうなミーナ見たことないしね…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ミーナ「膝枕してあげるわ///」 ミーナ「さあいらっしゃい」 俺「うん…」 ミーナ「耳掃除なんてどうかしら!」 ミーナ「ふふっ///」 俺(あ、心地いい…) 俺(最初は戸惑ったけどこの生活ずっと続くといいな) 俺(あ、眠たく…) 俺(……zzz) ミーナ(幸せね///ずっとこうしていたいわ) ミーナ(あら、寝ちゃったの?寝顔も素敵///) ミーナ「ふふっ」 なでなで 俺「スースー…」 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 17 24 58.62 ID xoPuz4vc0 なんだろう・・・このこみ上がってくる笑いは・・・ 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 17 27 20.54 ID BulBQC5gO ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 俺「ねえ!ミーナは?」 坂本「今日は出掛けている」 俺「そう…」 坂本「どうした?寂しいのか?」 俺「うん…」 坂本「なら私が代わりに」 俺「ミーナがいい」 坂本「ふふ、そうか。なら今日はミーナが帰ってくるまで大人しくしているんだな」 俺「そうする」 俺「はぁ…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/26(火) 17 28 03.37 ID eMsQB0Dp0 一瞬にして半径10km内にある壁が吹き飛んだぞ。 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 17 32 54.22 ID nJLVnm/pP 19 目覚めたか…… 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 17 34 07.37 ID BulBQC5gO ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ミーナ「俺、帰ったわ!」 俺「ミーナ!」 ギュ ミーナ(え!?俺から抱きついてきてくれた!?///) ミーナ(ああもう死んでもいいわ///) 俺「お帰り!」 俺「俺ミーナが好きになっちゃった!」 俺「俺はミーナが居ないとだめなんだよ!」 ミーナ「私もよ///」 チュッ ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 17 37 17.87 ID nJLVnm/pP 洗脳された? いや、ストックホルム症候群か 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/26(火) 17 39 51.71 ID BulBQC5gO 師匠『そろそろ帰ってきていいぞ』 ポンッ ミーナ「俺!?」 ミーナ「ねえ!どこに消えたの!」 ミーナ「私あなたが居ないとだめなの!」 ミーナ「お願いでてきて!」 ミーナ「でてきてよぉ…」 ミーナ「俺…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ポンッ 俺「!?」 友「よう、ちゃんと反省したか?」 俺「え!」 師匠「お前はこちら側の人間なのだ」 俺「……」 師匠「さあ、部屋にもどりなさい」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ―部屋― 俺「ミーナ…」 コンコン 友「元気だせよ」 終わり 感想などどうぞ 面白かった! (2012-04-16 21 45 11) 続きがありそうな予感o(^-^)o (2012-04-17 20 44 07) 次もお願いします (2012-06-15 06 34 06) ミーナ隊長を幸せにしてくれ……。 (2012-06-15 09 27 25) 次も出してください!! (2012-06-15 17 57 28) ちょっと最後の三文字が見えない (2012-06-25 23 25 09) コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/18170.html
とあるちゅうにのだいがくせい【登録タグ 作と 作り手】 【ニコニコ動画】 【ニコニコ動画】 【ニコニコ動画】 特徴 とある厨二の大学院生。 主に初音ミクを使用した曲を作っているP。 白黒のみで構成されたサムネイルは某Pリスペクトらしい。 ういすきーPというP名が検討されている模様。 リンク PIAPRO「とある厨二の大学生さん」のページ Twitter 曲 nothing/とある厨二の大学生 stability boundary Track 1 おばけ峠 君の中の僕-とある男子大学生の場合 境界線/とある厨二の大学生 呼応 孤立無援 こわれもの 最終砲火 死に至る病 信仰心布教人 道化師の品評会 梨本ういが僕を殺す 走る道化師 誹謗の麻酔 ファッション/とある厨二の大学生 墓標の理由 水出しコーヒーと秋の空 桃次郎 ゆとり CD まだCDが登録されていません 動画 コメント 記事できてるwサビ大好き・・ -- 名無しさん (2011-09-07 23 32 21) ういすきーってwwwwいや、いい名前だと思うwwww -- 名無しさん (2011-09-08 22 34 35) ものすごぉぉくすばらしいP名じゃないですかw ういすきーP -- 道化師の品評会もすきー (2011-09-25 17 27 17) ページ出来てるwこの人の曲すきだ -- 名無しさん (2011-09-26 17 28 29) この人超好きです -- 名無しさん (2011-09-29 22 21 36) 梨本ういが僕を殺す超好き!!もちろんアイポッドいきww -- 名無しさん (2011-09-29 23 39 29) なんで伸びないんだろw -- 名無しさん (2011-09-30 23 40 11) もっと評価されるべき -- 名無しさん (2011-10-01 12 05 36) どなたか新曲のページを…!お願いします! -- 名無しさん (2011-10-02 23 11 40) あれ、新曲ページがないwwwww -- 名無しさん (2011-10-03 17 40 19) ういすきーwwwなるほど理解。 -- 名無しさん (2011-10-30 14 11 28) ういすきーPかw、すごく良いと思うけどww -- 名無しさん (2011-11-05 08 44 15) 孤立無援…ないのか… -- 名無しさん (2012-02-28 02 58 20) ういすきーっはッ?成る程! -- くるっぽー (2012-03-30 19 21 37) 孤立無援見に来たけどないのか… -- 名無しさん (2012-04-17 17 53 27) 孤立無援って、まどマギのほむらちゃんの曲って聞いたけど、そーなん? -- 珠妃華07 (2012-06-23 22 06 02) この人の作品の良さは、聴いてみないと分からない。荒削りだけど、凄く光るものがある。 -- 竜奇 (2012-06-26 07 45 14) この人の曲よく梨本Pと間違われてるからくやしい…もっと知られて評価されるべき! -- ワフワフ (2012-08-02 14 33 00) まぁ、リスペクトだからしかたない。 でも、この人かなりいいアジ出してんだけどなぁ -- 愛されたいあ (2012-08-06 03 50 39) この人大好き -- クチサケ (2012-10-13 19 03 19) ういすきーwwwww -- 名無しさん (2012-11-30 17 25 42) ういすきーP決定で! -- しの (2012-12-21 14 58 28) どの曲も徹底的にバンドサウンド!素敵! もっと早く知りたかった -- 名無しさん (2013-03-29 22 39 48) ういすきーいいよねwww公開告白も好きだけどwww -- リナ (2013-04-13 16 22 04) ↑おまいは俺かw -- 名無しさん (2013-04-17 18 53 11) ういすきーって本人がタグ固定してない以上、とあるさんでいいだろ。ういすきーってのは梨本さん側も嫌がるかもしれないわけで(こればっかりはわからないけど) -- 名無しさん (2013-04-22 13 08 31) マジでこの人好きw -- 名無しさん (2014-05-03 10 16 52) 「こわれもの」かっこよすぎた・・・!! -- 名無しさん (2014-10-20 21 42 59) 生存が確認できないけど元気でやってるといいなあ -- 名無しさん (2019-10-30 00 50 40) 名前が更新されて見に来ちまった ほんとにな 元気にしてて欲しい 願わくばまたこの人の絵エモいサビの楽曲が聞きたい -- 名無しさん (2019-10-30 14 36 08) 帰ってこないかな。 -- 名無しさん (2022-09-14 11 31 52) 復活してくれよ…… -- 名無しさん (2023-01-16 20 50 09) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/720.html
翌日、昼休みになってもかがみは、こなた達の教室に来なかった。 「昨日私が帰った後なんかあったの?今朝だって、お姉ちゃんひどい顔してたよ」 つかさの口調には、珍しく批難の色が滲んでいた。 こなたはつかさが手に持つ菓子パンを見ながら、すまなそうにうつむいた。 「ちょっと私が言い過ぎちゃって……あーどうしようかなぁ」 「泉さんが悪いと感じていらっしゃるなら、謝るしかないでしょうね」 いつも通り美しく整った弁当に箸を付けながら、みゆきが言った。 「そうだよね、あ~でも怖いなぁ……」 「こなちゃん、お姉ちゃんに何て言ったの?」 「かがみはずるいよね、ってまあそんなことを」 「それだけ?お姉ちゃんの何がずるいって言ったの?」 つかさはこなたの曖昧な説明に納得しようとしなかった。 その顔を見てこなたは、かがみの様子が余程おかしかったんだなと思った。 「つかささん、泉さんはかがみさんに気を遣ってるんですよ」 「そっか……そうだよね。でも、早く何とかしてね」 「ごめんよ、ちゃんと今日中に謝りにいくからさ。 まだ本当に言いたかったことも、言えてないし」 「言いたいこと……ですか? よくわかりませんが、お願いしますね。私もかがみさんがいないと寂しいですから」 みゆきは、普段かがみがいるはずの席に目をやった。 「わかってるよ。放課後にはいつも通り、みんなで一緒に帰ろう」 そして放課後こなたは、威勢良く教室を飛び出した。 「んじゃ行ってくるよ。すぐにかがみを連れてくるから、待っててね!」 「本当に大丈夫かな?もしかして、もう……」 つかさが不安げな表情でみゆきに囁く。 「……そうかもしれませんね」 みゆきは教科書を鞄に詰めながら、淡々と答えた。 「そんなの嫌!私たちずっと四人で仲良くやってきたのに……。 もうあと半年しかないのに」 つかさは泣きそうな声をあげて、みゆきの机に顔を伏せた。 みゆきが鞄からつかさに目を移す。 「可愛いですね、つかささんは」 「ゆきちゃん……こんな時に笑えないよ、ゆきちゃんは嫌じゃないの?」 「もしそんな形で私たちの時間が終わってしまうとしたら、勿論嫌です。 でもこれは、お二人の問題ですから。私たちにはどうすることもできません」 「もうちょっと慰めになること言ってー……」 みゆきは子供をあやすように、つかさの頭を撫でた。 「すいません、脅かしすぎましたね。多分ただの喧嘩でしょう。 今のままなら、これ以上お二人の仲が進展することはないですよ」 一昨日までの二人に、そんな切実な空気は感じられなかった。 昨日何があったのかわからないが、そんなに急に二人の仲が進展するはずはない。 みゆきは自分にそう言い聞かせた。 (でも、もしそうなったら私たちはどうなるんでしょう? やっぱり終わってしまうんでしょうか……?それとも……) 威勢よく教室を飛び出したものの、足どりは重い。 季節はまだ六月に入ったばかりだというのに、手のひらが汗で湿って気持ちが悪い。 謝るだけならこんな緊張はしない。 その後の、本当に言いたかったこと、を言うのが恥ずかしいのだ。 かがみとはからかい合って、いじり合って、お互いそんなことばかりしていた。 感謝を口にしようとすると全身がかゆくって仕方がない。 そうして普段の倍近い時間をかけながらも、こなたはかがみの教室の前に辿り着いた。 「よし、いくぞ~、いくぞ~……」 かけ声とは反対に、こなたの身体は前に進まない。 しばらく廊下でそうしてもたついていると、もう片方の扉が開いてかがみが現れた。 「こなた……?」 こなたが目に入った瞬間、かがみは少し困ったような顔をした。 今まで逡巡していたこなたも、本人を目の前にして決心を固める。 「かがみ、昨日はごめんね」 「ああ……うん」 かがみの様子はどこかうわの空で、普段の張りが感じられなかった。 「別に、かがみを責めたかったわけじゃないんだよ。 かがみが自分のことをあいつなんかと比べるから、ついイラっと来て言い過ぎちゃったんだ。 私にとってかがみはあいつなんかより、ずっとその……大切な人だから」 「大切な人って……そんな」 まるで告白の様なこなたの言葉に、かがみは戸惑っていた。 こなたも恥ずかしい台詞なのは自覚していたが、構わずに続ける。 「だって、そうじゃん。 時間だけで見たって、かがみとはもう二年以上の付き合いだよ? 確かにメイト行ったりしたのは同じだけど、オタ話だけしてたわけじゃないし、 ほら、チョココロネどっちから食べる?とかくっだらない話も一杯したよね。 ファミレスでドリンクだけで、何時間も粘ったりさ。 あ、お泊まりもしたよね!あの時は結局朝まで宿題やってたけど、それでも楽しかった」 「良く覚えてるな、あんたは」 かがみの唇が、ほんの少し笑ったような形に歪んだ。 「だって楽しかったから、かがみは楽しくなかった?」 「まあ、楽しかったわよ」 「だよね!」 かがみの緊張が和らいだの感じて、こなたは嬉しくなった。 この調子なら今日も四人一緒に帰れる、そう思った。 「あと、何があいつって違うってさ、かがみはちゃんと、私のことを見てくれてるよね」 「……!」 見てくれてるよね。この一言に、かがみの肩が大きく跳ねた。 しかし一旦勢いのついたこなたは、それに気が付かない。 「バレンタインも、誕生日もなんだかんだ言ってかがみ、プレゼントくれたじゃん。 忘れてたけどね、とか言いつつ結構手が込んでたよね。 両方とも、私好みのものだったし。 それと、なんといってあれだよ、ハルヒの激奏! あんな盛り上がってる時に、普通隣の人のことなんて気にしないよ。 みゆきさんですら、ステージに夢中になってたのに。あれはちょっとときめいたね。 あと私のバイト先に来た時、途中までドン引きだったのに、最後は笑ってくれたよね。 かがみは呆れて笑ってたのかもしれないけど、私は嬉しかったよ」 「やっぱり……そうなのかな」 「……?かがみ、どうしたの?……ひょっとして私自意識過剰だった?」 一息ついて、こなたはかがみが小刻みに震えているのに気が付いた。 「そうじゃないの、そうじゃなくて……」 「大丈夫?調子悪いの?うぁっ!かがみ!?」 かがみが縋るようにこなたに抱きつく。 薄い布地越しに感じるかがみの身体が熱い。 「どうしよう……私、こなたのこと好きかもしれない」 「ちょっ、え!?なんで急にそうなるのさ!?」 「……私があんたのことばかり見てるって、さっき日下部に言われちゃった。 柊はちびっ子のことがすきなんだろって!峰岸だって否定しなかった。 それであんたまで、そんなこと言うから……!」 昼休み、かがみはみさお、あやのと共に昼食をとっていた。 買ってきたパンも、食べる気がしないのか机に放置されている。「珍しいじゃん、今日はあのちびっ子の所にいかないのかよ」 落ち込んでいるかがみと対照的に、みさおの声は心なしか弾んでいた。 「ちょっと今日は行く気しなくてさ」 「喧嘩でもしたの?柊ちゃん」 「うん、まあちょっと……」 それきりかがみは黙ってしまった。 「ひーらぎぃ、修学旅行どこ行くか決めた?班ごとの計画書の提出来週だったじゃん。 確か今ガイドブック持ってるのひいらぎだったよな」 「え、決めてなかったけ?……あ、ごめん、忘れてたわ」 「なんだよ、しっかりしてくれよ、ひいらぎぃ」 こなた達と散々話していたせいで、かがみはすっかり決めたものだと勘違いしていた。 「明日持ってくるわよ」 かがみは事務的に返事をしたが、その目はみさおの方を向いていなかった。 窓の外を見ながら、指で髪をいじくっている。 「しかし修学旅行楽しみだよなっ! ひいらぎと遠出したことってあんまりないし、これ終わったら受験だもんなー」 「そうだね、私とみさちゃんは結構行ってるけど、柊ちゃんとはないよね」 「そうねー」 「……ひいらぎぃ大丈夫か?さっきから何にも食べてないし。 パンじゃ嫌なのか?……そうだ!私のミートボール食べる?」 「ううん、いらない。今は食べる気しない」 かがみの素っ気ない態度に、みさおの表情までもが暗くなる。 気まずい沈黙が訪れるが、かがみはそれを気にすることもなかった。 「ひいらぎってさ、ちびっ子のことだと必死だよな」 「え?」 「なんなんだよ、私たちとちびっ子なにが違うんだ? そんなに会えないのがつらいのかよ?」 「ちょっとみさちゃん」 慌ててあやのが、みさおをたしなめるが、みさおは止まらなかった。 「だってあやのだってそう思うだろ? ひいらぎが本気で怒ったり、笑ったりするのはちびっ子の前でだけじゃん」 「それは……」 かがみはこなたとの仲が他人からどう見えるのか、今まで意識したことはなかった。 そのせいでみさおが少しづつ不満を溜めていたなど、思いもよらなかった。 「私、日下部を差別してるつもりなんて……」 「そんなことわかってるよ! そうじゃなくて、どうしてひいらぎはちびっ子を特別扱いするんだよ? ひいらぎはいっつも、ちびっ子のほうばっかり見てる。 お昼休みが来る度に、嬉しそうに教室を出て行かれるのはもう嫌なんだってば!」 「私が、こなたのほうばっかり見てる?」 「気付いてないのかよ? 前から思ってたんだけどさ……ひいらぎはもしかして、あのチビっ子が好きなのか?」 かがみの顔から血の気が引いた。 「そんなこと……あるわけないじゃない!何言ってるのよ、ねえ峰岸?」 あやのは小さく首を振った。 「実は結構前から、そんな話はしてたよ。 私もみさちゃんも、ずっと一緒だったからわかるんだよ。柊ちゃんが変わったの。 勿論半分冗談で言ってたんだけど、みさちゃんはずっと寂しがってた」 5年も同じ教室で過ごしてきた友人との間に深い溝が出来ていたことに、かがみは愕然とした。 高校に入ってからこなた達と過ごした、楽しい日々が暗転する。 「ごめん……でも私こなたのことが好きかなんて、わかんないよ。 そんなの今まで考えたこともなかった」 「私は別に、ひいらぎがちびっ子のことを好きでも構わないさ。 でもちびっ子も私も、同じように友達だって言われたら納得できない。 だってそうじゃなかったら……」 みさおは鼻をすすり、目を両手でごしごしとこすった。 あやのがハンカチを差し出す。 その様子をかがみは、呆然と見つめることしかできなかった さよなら魔法使い 3話 コメントフォーム 名前 コメント かがみの事でやきもち妬く時のみさきちって、すごく可愛いよね~! -- 名無しさん (2011-04-26 16 11 02)
https://w.atwiki.jp/eriponmagi/pages/29.html
この街に来てから、独りで思い悩むことが多くなった。 この街のこと、道重さんのこと、魔道士という存在について、そして……えりぽんのこと。 今まで知らなかった幾多の事実を目の当たりにした上で、 うちは一体なにをすべきなんだろう。一体なにができるというのか。 これまでは、ただ強くなりたいという思いだけだった。 「敵」と戦って勝つこと、それが自分の存在意義でありそれしかなかった。 それが、強さとはなんなのかその根幹すら揺らいでしまった今では、 なにもできない自分の小ささそして無力さばかりを実感させられ、 ふとした瞬間に頭をよぎり、事あるごとに私の心を苛んでいく。 「硬いね~、硬すぎるよちょっと~」 物思いに沈みこんでいたうちの意識を引き戻したのは、 明るい声と、後ろからうちの肩を揉んでくる手によってだった。 「えっ、あ、ありがとう香音ちゃん。そんなに肩凝ってる?」 自分では気づかなかったけど、確かにこの頃は緊張続きで肩も凝っているかもしれない。 「うん、肩も凝ってるけどさ、一番凝ってるのはここだよ」 肩を揉んでいた両手が、そのままうちのほっぺたを挟み込むように包んだ。 「さっきから表情が硬すぎ。真顔の里保ちゃんもイケメンで悪くないけど、 ずっとそんな顔してたら疲れちゃうでしょ」 手のひらから伝わる香音ちゃんの温かいぬくもり。 「なにを悩んでいるのかはわからないけど、難しく考えていてもいいことないよ。 どうせ人はできることしかできないし、やれることをやるしかないんだから」 ぬくもりを通して感じられる香音ちゃんの暖かい気遣い。 それが心の奥まで染み渡り、凝り固まったうちの懊悩を溶かしていく。 「ありがとう。香音ちゃんはあったかいね、まるで太陽みたい」 頬を挟んでいる香音ちゃんの手の上に自分の手を添える。 言葉にできない感謝の想いを、自分の手を通じて香音ちゃんに届けと念じながら。 「ふふふ、実はうち、太陽の魔法使いなんだよ。なんちゃって」 「そうだね、香音ちゃんの魔法のおかげで元気になれたよ」 「うん、やっぱり里保ちゃんは笑顔が一番だね。 またうちの魔法が必要な時は言ってね。肩ぐらいだったらいつでも揉むからさ」 まだうちの悩みはなにも解消されたわけじゃないけど、 これからは独りで落ち込むことなくきっと乗り越えられる、そんな気がする。 だって、うちには太陽の魔法使いがいてくれるから。 (おしまい)
https://w.atwiki.jp/novel_lexeed/pages/167.html
ヤマ派厨二教室(通称:ヤマハ) ヤーマを愛せないものは入るべからず。 ヤマハ (http //lexeed.blog57.fc2.com/) 管理人:LEXEED@XXXX